熊本から帰る。その2。
12月 23, 2009 — 16:22

阿蘇周辺観光?を終えたので、ぼちぼち帰途へとつきます。帰り道は高速を走ると高いので(本当はそのつもりだったけど延泊したためこの日は通常料金=払えるか!)阿蘇からまっすぐ南下。国道やら県道やらをボチボチ走って帰ります。

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阿蘇市内に下りて、カルデラをトンネルで越えるとそこはもう山の中。車が全く走って居ない、静かな国道265号線。強い日差しに青すぎる青空。紅葉の色さえ飛ばすような良い天気。

特に珍しいものが見つからないまま、高千穂にも寄らずひたすら南下。

それもこれも、先ほどまでの景色が凄すぎたから・・・そんな感動を噛みしめつつ、眠気と戦いながらの走行なのです。

そして気が付けば宮崎県五ヶ瀬町。ここは九州内唯一?のスキー場がある場所ですが、雪など全くある気配が無いので、入り口を確認しつつ通過。

何か無いかなーと思い始めたところで「←白滝入口100m」の看板を発見したので、折角だから寄ってみることに。でも100mじゃ、国道から見えてもおかしくない距離だなーと思って走れど走れど目的地に付かず。気が付けば道は、

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林道じゃん!

普通だったらここまで来る前に引き返すのでしょうけど、もうここまで来たからには引き返せないぞ!と妙なテンションになりつつ、勢いだけで急な上り坂をひたすら登ります。一応舗装はされていますが、これなら砂利道のほうが走りやすい!と言うくらいの荒れっぷり。しかも日陰は霜が降りてて滑る滑る・・・。

でもって5,6キロ走った先にあったのは、こういう滝。

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「しらたき」

これ、紅葉が残っている時期だったら綺麗だろうなぁと思わせる、地味な奥ゆかしい滝でした。また来よう。

そして帰りもまた、荒れきった道路をブレーキを焼きながら帰ります。

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何しろこんなところも走るので、もし行かれる方がいましたら、十分気をつけて・・・。

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多分冬は近づかない方がいいです。落石も大量にありますのでくれぐれも・・・。

そんなこんなで国道に戻ったらまた南下。道が狭くなり、断崖な五ヶ瀬渓谷を抜けます。この辺の道の狭さと、大型車の量はハンパじゃありません。

でもって、トンネルの怖さも。

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BlackBerryで撮ると暗いんですよ、もう。でも見た目はこんな感じ。ちなみにこれをD90のオートで撮るとこんな感じ。

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ああ、写真って恐ろしい。

トンネルを抜けたらそこには小学校がありました。場所は椎葉村仲塔というらしい。

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「椎葉村立仲塔小」・・・だと思います。

(帰宅して調べてみたら現在休校になっていました・・・道理で平日なのに静かなわけで。)

目の前にはこんなに澄んだ川。

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これほどではありませんが、自分もこういうところで育ったので・・・なんか懐かしいなぁと。そしてこんなところにも人の暮らしがあるんだなぁと思うと感慨深い・・・。

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昔はもっと賑やかだったのだろうか。

人気の無い、静かな川を眺めながら缶コーヒーを飲んだら出発です。

またしばらく狭くて険しい道を進むと椎葉村の中心街へ。ここで食事でも・・・と思いつつ、道が良くなったことをいいことに通過してしまいました。

そしてまた山を登って絶景・・・。

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「村立椎葉中学校」

向こうに見えるのは上椎葉ダムです。教室の窓からダムが見えるというのがこれまた感慨深くて。

折角なのでダムにも寄ってみます。

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釣りをする人が数名いるくらいの、至って静かな湖面。

でもダムの湖面って何か寂しい感じがするんですよね。この下に何が沈んでいるのか、とか考えてしまうのは、実家近くに出来たダムで実際に沈んだ集落を見てきたから・・・なんですが。

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いま、この堰を開けたらそこには沈んだ集落が広がっているのかも知れない。けどそこにあった生活はたぶんもう戻らない。これは文明の勝ちなのか、それとも負けなのか。

そしてダム沿いに通る狭くて険しい道・県道142号線を走ります。だってそれが一番近そうだったから、なんですが、この道は全くオススメ出来ません。道は激狭・落石落下物多し。よそ見したらダム湖に落ちるか、断崖に突撃するか・・・景色を見る余裕なんか無い。

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ダムを越える橋を過ぎると、そこには恐ろしすぎるバス待合所・・・。

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夜でも昼でも中に入りたくない。そんなオーラを感じます。というか、利用されている気配が・・・ない。

そしてダムを越えたら再び山中へ。

1車線の道を延々延々・・・吐き気が出るほど走って、ブレーキから煙を上げながら、不土野峠を越えて熊本県水上村へ。激山道を下りきったところに公園があったのでちょっと休憩。この時点で人間はクタクタ・ブレーキはスカスカ。空が青い事だけが心の支えとなりつつあります。

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その公園。最近整備されたところらしく非常に小綺麗で、中には流水を使った池なんかもあるのですが、そこに泳いでいるのは鯉なんかではなく・・・

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チョウザメ!!何故!?

試験場から寄贈されたものだそうで、悠々と泳いでおりました。。。しかし何故。。

謎を残しつつそろそろ出ようかと思って反対側を見ると何かあります。

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拡大すると、

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吊り橋!しかも人が渡ってる・・・。

こ、これは・・・スルーは出来ない。ということでまたも寄り道なんですが、何故こんなところに?というほどの悪路。というか観光目的で作ったんだろうけど、観光バス入れないじゃん、これじゃ・・・。また激狭&悪路を通って着きました。白水の滝・吊り橋。本当に「何でこんなところに作るんだ?」という場所にあります。

要するに滝があって、それを跨ぐように吊り橋が架けられているのですが、滝を見るには近すぎ。反対側の景色はというと森と山だけでイマイチ。じゃぁ吊り橋を見ようとすれば、遊歩道からはヤブが邪魔でイマイチ・・・といかにも勢いで作りました!というような、残念っぷり。

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それでも歩けば歩いたでそれなりに感動はあるんです。大きな吊り橋が二つ架かっておりまして、一つ目は床がアクリル貼りで下が良く・・・・見えない。(悲

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いや、見えないということは無いんですが何分アクリルなものですから、擦れて曇っちゃってるんですね。おまけに濡れてるところは激烈に滑って危険この上無し。橋の全景はこんな感じです。これでも一番いいところから撮ったつもりなんですが・・・。

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イマイチでしょう?これ。

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色とりどりで綺麗なんだけど、激しくぬかるんだ遊歩道を歩いて、現れたのは微妙に狭くて怖いトンネル。

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夜は絶対通りたくない。

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身長170センチから見てもこんな感じです。天井が低い・幅が狭い・照明は故障中。そしてトンネルを抜けるともう一つの吊り橋が。

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こちらはオーソドックスな木製床で安心です。ところどころ腐って穴が開いてたり、固定が甘くなって動く板が無ければ、ですが。

こちらは下を見ると結構絶景なんですけど、結局一番絶景だったのはこの角度から。

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吊り橋はまだしも、ワイヤーが激しくかぶってしまってすっかり残念な滝です。。。

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遠くにはさっきの公園があった集落が。

そして何の夢を見てこの橋は造られたのか。

あ、ちなみに先ほどのトンネル。

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「しゃくなげトンネル」と呼ぶそうです。そんなことより反対側もちゃんと作れと言いたい気がします。

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こんな立派な滝。ほんとはもっと立派なのに「後から出来た吊り橋のおかげで」全景を収めることが出来ないのが悔しい・・・。

地元振興のためにモノを作るのは決して悪いことじゃない。しかし作るのなら、ちゃんと考えて作らないと元も子もないのではないか?と思わざるを得ない事業には、未来は絶対に無い。

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そんな何とも言えない不快感を覚えるなか、唯一の救いだったのは夕日に映えるもみじ。

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これが今年最後の紅葉です!と言わんばかりの綺麗さ。やっぱり自然が一番なのかも知れない。ちなみにこの吊り橋。現地に行くのも大変ですが、現地についたあと橋まで行くのも大変です・・・。

ちょっと残念な気持ちで山を降りたら、あとはもう走るだけ。

日が暮れて暗くなりかけた日房ダム。渇水で見えた湖底には、古の営みの跡。

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ここにあったのは神社か学校か村役場か。石段が見えます。

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かつてあったはずの賑わいを、あなたは感じることが出来ますか?

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ダム反対・賛成の議論はともかく、それによって得られるもの・失われるもの、たくさんあると思いますよ。それらをよく考えて、作りましょうね、と。

さて、激烈県道を抜けたら国道388号線に抜けて人吉へ。途中で夕日が綺麗だったので一枚。

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月もついでに撮影して。

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あとは九州道を走って無事に帰宅しました。いやぁ走った走った!

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長々と続きましたが、ここまで読んで頂きまして、ありがとうございました。。